院長の身体コラム
オミクロン株の不思議
やばいですね、オミクロン株。
凄まじきパンデミック、政府も専門家も混乱状態ですね。
でも、今回の第6波、不思議な事だらけですよね。
①ワクチンを打っているのに、こんなに流行するのは、なぜ?
②オミクロン株で重症化しないのはなぜ?
③3回目のワクチンが必要なのはなぜ?
などなど疑問点は多々あります。
では、これらの疑問点を分かりやすく説明しましょう。
ワクチンを打っているのに、なぜ、パンデミックが起こるのか?
それは、オミクロンのターゲットが、デルタも含めて従来株が、気管支や肺にあったのが、咽頭や喉頭にターゲットを変えたことにあります。空気中に漂うウイルスを吸い込み、肺などの呼吸器官に届いて増殖するまでは、1週間以上かかります。ところが、口腔内や咽喉で増殖するのは、3日あれば充分。一方、ワクチンは、抗体価が落ちた状態(接種後7ヶ月以降)では従来株と戦うため作られているので、ウイルスに反応するのに7日間は要します。
と言う事は、一瞬、症状が出て、放置しておいても、数日経てば、自己免疫でオミクロン株を退治できるのです。だから、ワクチン接種者は、重症化せずにすみます(糖尿病や免疫不全など基礎疾患のある方はこれにあてはまりません)。
3回のワクチンを受けておけば、ウイルスを攻撃する抗体が増え、口腔内に入ったオミクロンを即座に退治します。だから、わざわざ7日以上かかる免疫系統を必要とせず無症状~軽症で対処できます。
でも、これが反対にパンデミックを引き起こしてます。無症状の人でも、ある程度、ウイルスは増殖します。濃厚に接触した人に感染するくらいは増殖します。2回目接種後でも5ヶ月くらいは、抗体価が高いので、、、
もう分かりますよね。日本は、元気な若年層が、ワクチン接種遅かったので、無症状の人が多く、無症状保菌者がばら撒いています。ワクチンを受けて無い人や子供達や抗体価が落ちて来ているお年寄りに伝染しているのです。
でも、オミクロン株は、コロナとしては終盤である可能性もあり、最終系(もっと複雑な免疫が関与してますが、今回は混乱を招くので割愛)で、これが落ち着けば、この、戦いは、一旦、収束してくれるかもという希望的観測もあります。
もしそうならば、後は、生き残った従来株達と毎年、小さな戦いを繰り広げる事になるでしょう。
今後も感染予防し、微熱や咳などおかしいなと言う症状があるようなら近くの発熱外来へ受診してくださいね。
よろしくお願いいたします。